銀河の竪琴弾き

銀河の片隅の出来事をつづります♪  

夏の出来事

 

今日の空は冬の空の色

ひんやりした空気がもう11月が来る事を教えてくれました

 

お買い物へいくと

おでんの材料が あちら こちらに

今日みたいな日にはいいかも

 

そんな自分はパンとチーズを買って

のんびりうちで遅いランチを楽しむ

なにげない休日が過ぎていくなか

ふっと そして力強く思い出したことが一つ

 

数年前の夏の日

帰省したときの出来事

幼い甥がコレクションしたクワガタを閉じ込めた

小さな虫かご

 

それは北向きの出窓に置かれていた

近づいてみると 1匹の大きなクワガタが

長方形の虫かごの中を必死に面にそって歩き回っていた

出口をさがしているようだ

それが その様子が その様が 伝わってくる

 

私は ここを出るんだ

必ず出るんだ  出口はどこあるのか

透明な虫かごのなかを這い回っている

その様子というより もの凄いエネルギーを発していたので

引き付けられてしました・・・

 

そっか 出たいんだな 凄いな このクワガタと

感じながら見ていた すると次の瞬間 クワガタは

私に気が付いた 私が見ていることに気が付いた

そして 這い回ることをやめ 

その黒い目は 私を一直線に見上げて 

人である私とクワガタは数秒目線をそらすことなく

互いを見ていた

「うん 分かったよ もちろんだよ!」

気が付けば 虫かごをもって家の玄関横の前庭へ行き

そこに静かに腰を下ろし 座ってクワガタを見た

もう彼にはわかっているようだ 自分が解放されることが

そして かごの蓋を開ける 

ためらうこともなく 空へ飛んでいった

 

虫を逃がしたことを伝えた

家の人からは 怒られた・・・

 

しかし そのカゴには 土の中に

あと6匹いたという みんな寝ていたのだ

諦めていたのか・・・

 

あのクワガタは諦めていなかった

あの小さな体からエネルギーを発し

そして私に気が付き 私を見たのだ

 

私は銀河の竪琴弾き

 

諦めない事

誰がみているか

そして その存在を動かせるほどの 力強い瞳

 

誰もみていなくてもいい

諦めないこと

眠りについてしまわないように

 

ある夏の日 

目線を合わせたのは 小さな虫だった

でも感じられた その自由になるという強い意思

 

それを無言で教えてくれた 

ありがとう